愛知県一宮市で施工したアンダーピニング耐圧盤工法の特徴やスケジュールを取り上げ、家の傾きが及ぼす影響やベタ基礎についてご紹介していきます。
家が傾いた時に起こる事
家が傾くと建物にさまざまな不具合が生じたり、居住している人の健康状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
具体的にどのようなことが起こり得るのでしょうか?
①建物に対して起きる事
まずはじめに、建物に関する影響を見ていきましょう。
- ドアの開閉の不具合
- 窓の開閉の不具合
- サッシのゆがみ
- 建物に隙間が生じることにより、断熱性や気密性が失われる
- 雨漏りする
- 外壁や内壁にひび割れが生じる
どの症状も、放っておくと状況は次第に悪化していくことが多く、いざ修理をするとなると莫大な費用が掛かってしまうということもあり得ます。
したがって、何らかの不具合を発見した場合にはできるだけ早く対処することで、被害や他の箇所への影響を抑えたり、修繕費をあまりかけることなく直すことができます。
②人体に対して起きる事
家の傾きによる影響は、建物だけではありません。続いては、住んでいる人への影響について見ていきましょう。
- めまいがする
- 腰痛や肩こりが続く
- 頭痛がする
家の傾きが軽度であったり、比較的身体への影響が軽度である場合には、まず上記のような症状が起こり得ます。
次に、傾きが大きくなったり、より敏感に傾きを感じやすい人の場合の健康被害を見ていきましょう。
- 上記1~3の症状が重症化する
- 睡眠障害を引き起こす
- 食欲不振や吐き気を感じる
- 身体の不調に伴い精神状態が不安定になる
状況が悪化すると、更に健康を害するような症状が発生してしまう可能性があります。人の心身の健康状態についても、建物同様に早めの対処が改善への近道となります。
重症化してからの回復には、より多くの時間と労力を要します。
体調に違和感を感じたり、不調が続く場合にはできるだけ早くその原因を見つけて対処するようにしましょう。
家の傾きの測り方
次に、家の傾きはどのようにして測定するかについてお話していきます。
より簡単に自分で手軽にできる方法をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
- ビー玉やゴルフボールを転がす
- 水の入った2リットルのペットボトルを床に横に置く
- 水平器を床において測定する
- 傾きを計測するアプリを使用する
- その他:50円玉(もしくは5円玉)、1メートルの長さの糸、セロハンテープ、メジャーを用意して、糸に結んだ50円玉を部屋の壁や柱に貼り付け、貼り付けた上部と50円玉を結んだ下部の距離の違いを測定することで計測する
という方法があります。
もし、もっと性格で詳細な家の傾きを知りたいという場合には、専門家への依頼がおすすめです。
依頼先には、西川のような家の傾きを専門に扱う業者もしくは住宅診断業者が挙げられます。業者への依頼は、現状を把握できるだけでなく、診断の結果どのような問題があげられるのかなどに関してもアドバイスをもらうことができるという点で有益だといえるでしょう。
ベタ基礎とは
家の土台の一種であり、底版一面が鉄筋を入れたコンクリートでできているもののことです。
ベタ基礎の場合、建物の重みを底版全体で受け止めることができるため、安定性が高いというのが特徴になります。
同じく土台の一種である布基礎の場合、住宅を支えているのは立ち上がっている部分のみです。
立ち上がり部分だけが鉄筋コンクリートであり、その他の部分は防湿シートや防湿コンクリートを施工することもあります。
鉄筋コンクリートとは違い、防湿用のコンクリートは強度が弱いために、あくまでも布基礎の場合には立ち上がり部分の点と線でさせるという構造になります。
なお、地盤が頑丈である場合には、布基礎で問題ないという場合もありますので、あらかじめ地盤を調査したうえで、地盤に合った基礎を選択することが求められます。
ベタ基礎のメリット
強度が高く耐震性に優れている
点で支える布基礎とは異なり、面で建物の重さを支えるベタ基礎は、地震にも強く、家が傾きにくくなっています。面で支えることで、一か所に力が集中することを防ぐことができます。
湿気を防止することができる
ベタ基礎の場合、防湿シートで覆った後に厚い鉄筋コンクリートで施工します。
建物と地面が直接接しないために、湿気が建物に伝わることなく維持することができます。
特に木造住宅の場合であれば、湿気を防ぐことができるか否かによって建物の劣化具合は大きく変わってきます。
3シロアリ対策ができる
湿気同様に、一面を鉄筋コンクリートで覆う施工により、シロアリの侵入を防ぐことができます。ただし、完璧にシロアリの侵入を防ぐことは難しいことから、定期的な点検が必須です。
ベタ基礎のデメリット
コストが高い
底面全体を鉄筋コンクリートで覆うベタ基礎は、布基礎と比較して材料費や人件費などが高くつきます。
また、ベタ基礎の工事では、地面を広範囲に掘り起こすために残土の処理費用や運搬費がかかってきます。
さまざまなメリットの分、コストがかさんでくるというのがデメリットとして挙げられるでしょう。
寒冷地向きではない
寒冷地では、気温が下がることにより地中が凍結することがあります。ベタ基礎は、地中凍結による地面を膨張の影響を受けやすく、場合によっては基礎が押し上げられて建物に大きなダメージが加わるリスクがあります。
そのため、寒冷地では面全体で支えるベタ基礎よりも、点で支える布基礎が選ばれることが多くなります。
実際の施工スケジュール
続いては、愛知県一宮市の施工事例を取り上げ、ベタ基礎の住宅の傾き修正の流れなどについてご紹介していきます。
今回のケースは、盛土部分が沈下したことにより家が傾き、建具等に不具合が生じているというものです。
アンダーピニング耐圧盤工法という、既存の建物の周りの地盤を掘削して、耐圧版を構築し、耐圧版を反力に基礎をジャッキアップすることで、家の傾きを修正するという施工をおこないました。
【1日目】挨拶 近隣挨拶 機械搬入 掘削ハツリ
【2日目】機械準備 耐圧
【3日目】耐圧 グラウト注入 高さ確認
【4日目】修繕・片付け・清掃
アンダーピニング耐圧盤工法を施工する条件として、地盤沈下が収束しているということが挙げられます。地盤沈下が続いている状態では、再沈下の可能性があります。
また、ベタ基礎、布基礎どちらの場合も施工可能ですが、基礎に鉄筋が入っていない場合には補強工事を必要とします。
アンダーピニング鋼管杭工法に比べると工期が短く、低予算で施工することができるというのも魅力です。
実際の施工では、4日間という短期間でお客様の予算の範囲内で施工をすることができ、大変ご満足いただけました。
まとめ
今回は、家が傾いた場合、建物な住人にどのような異変が起こり得るのか、またベタ基礎にはどのような特徴があるのかについても、実際にベタ基礎の家の傾きを修正した事例を取り上げ、施工内容やスケジュールについてご紹介してきました。
家の傾きに関しては、傾斜や個々人の感じ方により差はあるもののさまざまな悪影響を及ぼす可能性があることをご理解いただけたでしょう。
また、ベタ基礎がどのようなものなのか、布基礎との違いを理解することで、地盤や環境に合わせた基礎選びの参考にもなったのではないでしょうか?
家の不具合や居住しているうえで感じている体調の変化などがあれば、もしかしたら家の傾きの影響かもしれません。
些細なことでも家に関する心配事がありましたら、ぜひ一度家の傾きを専門に取り扱う西川にご連絡ください。