近年大地震が多くなった日本では、全国のあちこちに液状化現象が発生しています。液状化現象の影響が住まいに発生してしまうと、厄介な状態となってしまいます。
面倒な状態にならないように、住まいに液状化現象の影響を受けないよう、様々な対策を把握しましょう。もしも液状化現象が我が家に発生した際に目を向けてほしい8つのポイントを、以下にご紹介します。
【液状化とは】
液状化というのは、地震などの大きな衝撃を地盤が受けた際に、それまで支えあっていた土の粒子がバラバラとなり結合がなくなり水に浮いた状態になることにで、地盤の全体がドロドロとした液体の状態になることです。
液状化になると、主に以下のような2つの現象が発生します。
- 地盤から水が噴き出す
- 地盤から土砂が噴砂する
- 今まで安定していた地盤が柔らかくなる
以上の2つのような現象が発生することにより、以下のような状態が発生する場合があります。
- 建物が沈む
- 建物が傾く
- 電柱が傾く
- 地盤の中に埋まっているマンホールや埋設管が地盤より上に突き出てしまう
- 地盤に亀裂が発生する
- 埋設管が破損してしまう
- 地面の全体が低い方に流れてしまう
【液状化の原因や条件】
液状化の発生は、どんな地盤でも起こることではありません。液状化が発生する地盤にはどのような条件があるのか、以下にご紹介します。
【砂が堆積している地盤】
砂が堆積している地盤は、液状化が発生しやすい傾向があります。特に、砂の直径が0.075〜2㎜程度の大きさの場合、発生しやすいです。この直径よりも小さいもしくは大きな粒の砂の場合は、液状化は発生しにくいです。
【砂の組み合わせがゆるい】
砂同士のかみ合わせがゆるい地盤に地震のような大きな力が発生した場合、地新緑の方が勝つので液状化となります。
逆に砂のかみ合わせが固く発生した地震に対し抵抗力が高い場合は、液状化は発生することはありません。
【地下水に砂が浸っている】
地下水位が高く地下水に品が浸っている地盤は、液状化が発生しやすいです。
地下水位が高いということは、軟弱な砂の地盤が地下水の中で浸っている状態となります。一般的に、地面から1ⅿ以内が地下水に浸っている場合は、地下水が高いということになります。
地下水は、季節や梅雨などにより変化するので、一定ではないことを覚えておきましょう。
【地震によって振動が伝わる】
液状化というのは、地震をきっかけにして発生します。水分が多く混じっている砂の地盤が地震などの大きな圧力がかかることにより、品が混じっている液体へと変化します。また、ゆるく堆積している柔らかい地盤では地震の揺れ方を増幅させるので、液状化となる可能性が高まります。
【液状化しやすい土地とは】
液状化しやすい土地とは、地盤の素材や地下水の高さなどです。これらの条件が揃う液状化しやすい土地というのはどのようなものなのか、以下に具体的にご紹介します。
- 以前川や沼だった所
- 埋め立てをした土地
- 砂丘などが近い土地
- 大きな川が近い土地
- 盛り土をした土地
- 埋戻しをした土地
- 以前液状化が発生した土地
【家の敷地が液状化した!そんな時どうする?】
家の敷地が液状化した場合は、家の傾きを防ぐためにいくつかの工法があります。
まず地盤ロックという東日本大震災以降業界で一番多く住宅で使われている地盤改良材を用いた工法があります。地盤ロック工法は施工状況により、建物の傾き直しも同時にできます。
次に、アンダーピニング工法です。「アンダーピニング工法」というのは、地盤の中にある支持層という良好な地盤の深さまで杭を打設し、液状化により家が傾かないようにします。この工法は再沈下を防ぐことに適しているので、多くの業者にて「アンダーピニング工法」に対して保証を付けています。
ですが、アンダーピニング工法で持ち上げても地盤改良をしないと液状化対策にはなりません。アンダーピニングで持ち上げの場合、地盤ロック工法で地盤改良もすることによって地盤の液状化に強くすることができます。
また、加入している保険にて修理費用が賄える可能性があります。そのため、修理を行う前に保険会社に相談をすることを、おすすめします。
【傾いた家にそのまま住むことはできる?】
家が傾いている状態で住むことは、できないことではありません。しかし、傾いている家なで、以下のようなデメリットを背負って住み続けることになります。
- 丸い物が転がる
- ドアが自動開閉になる
- 鍵がかかりにくくなる
- ドアや窓が閉まりにくい
- ドアや窓からのスキマ風が発生する
- 床がきしむ
- 雨どいの角度が変わり機能しなくなる
- 上下水道管が逆勾配になり被害を受ける
- 家が傾きすぎていてリフォームができない場合がある
- 家の売却価格が低くなる場合がある
- 家の耐震性が低下している
- 小さい地震でも家が揺れやすくなる
- 傾きが気になり、めまいや浮遊感、頭痛、吐き気になりやすくなる
- 食欲不振や倦怠感が発生するようになる
- 肩こりや腰痛がなかなか治らなくなる
- 傾いたところにいるので、平衡感覚が狂ってしまう
- 原因がはっきりしない体調不良が発生してしまう
- 睡眠障害が発生する
家が傾いているお宅の住人は、このような悩みを抱えている方が多くいます。傾いている家でも住み続けることはできますが、様々な弊害が発生することで住みにくくなることは間違いないといえます。何より、健康障害が発生することは良くないことです。
健康被害のことを考えると、傾いた家に住むことは良いことではありません。住むことはできますが、今後の人生の為にも早急に家の傾きを直すことをおすすめします。
【液状化対策でできること】
液状化対策をするためには、以下に目を向けましょう。
【液状化になりにくい土地を探す】
液状化になりにくい土地を探して建物の建設を検討しましょう。ボーリング調査結果の確認や地形図・土地条件図・古地図の確認、地震ハザードマップの確認などにて、液状化になりにくい土地を探すことができます。
もちろんお客様にはわかりにくいことですので、業者に相談すると相談にのってくれます。丁寧に対応してくれるので、安心して相談をしてみましょう。地元の液状化対策に詳しい業者を探して相談することを、おすすめします。
【地盤改良を行う】
液状化が発生する土地なのか否かというのは、100%間違いがないと断定はできないものです。そこで目を向けるポイントは「地盤改良」です。液状化が発生する可能性がある地盤でも、地盤改良を行うことで液状化を防ぐことができます。
【地盤の転圧を徹底して行い土の密度を高める】
家を建設する前の更地の状態の際に、転圧をしっかりと行って父の密度を高めます。事前転圧により安定した地盤とすることができるので、液状化に負けにくい地盤とすることができます。
盛り土を行っている場合は、より念入りに転圧を行うことをおすすめします。
【軽い家を建設する(重たい家を建てない)】
地震が発生した場合、地盤の上に乗っている建物の重さが重ければ重いほど、液状化現象が発生しやすくなります。そのため、建物を軽い重さにすることにより、液状化しにくくさせることができます。
【均等に地盤に重さがかかる建物を建てる】
地盤には均等に重さがかかった方が、液状化現象の発生率は低くなります。
2階建てで一部2階の建物の場合、その「一部2階」部分に建物の重量が傾いているので、重量が大きな部分の方に液状化が発生する場合があります。
均等に地盤に重さをかけることができる家とは、以下のような家です。
- 総2階建て
- 平屋
- 建物の形が真四角(凹凸がない形)
以上のような建物は、平凡で魅力が無いと思うかもしれません。しかし、液状化の発生のことを考えると、このような平凡な建物が理想となります。
【まとめ:液状化になっても住み続けることができる強い家づくりを!】
当たり前のようにある地盤ですが、地震などの大きな負荷がかかることにより、液状化という最悪な状態となってしまいます。
原因と対策を把握しておくことにより、液状化現象に巻き込まれることなく、安心して住み続けることができます。大地震が多い中、液状化対策はマイホームで末永く暮らしてゆく中で必要となる大事な知識となります。
是非頭に入れて、液状化に悩まない快適な住宅としましょう。
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技術資料|株式会社西川 (nishikawa-ziban.com)
(地盤ロック工法と液状化の仕組みについて)