今回は庭の樹木が家の傾きの原因となる場合について、長野県松本市での施工例を取り上げ、具体的な事例や対処法についてご紹介していきます。
庭の樹木が家の傾きの原因になる事例
家の傾きの原因にはさまざまな理由がありますが、庭の樹木が原因となる場合があります。
具体的な例を挙げて見ていきましょう。
木の根が大きくなりすぎた
大きくなった根は成長を続けると基礎コンクリートを破壊する可能性があります。
特に、鉄筋が入っていない無筋の基礎の場合はその可能性が高くなります。
被害は基礎部分だけでなく、水道管や排水配管などに及ぶ場合もあり、水漏れや排水処理ができなくなるなどの不具合が生じる場合があります。
樹木に害虫が寄ってくる
樹木が多いことにより、湿気が高くなり住宅の大敵となるシロアリなどの害虫が集まってくる可能性があります。
仮に、基礎の下まで根が張っている場合には、樹木を伐採しても根の部分に害虫が居座るリスクは残されたままとなってしまいます。
木の根が地盤の下で腐って空洞になった
土の中に木が埋まった状態で、その上に家を建てた場合には直接目で確認することはできないものの、地盤の下で腐ってしまい空洞となって沈下が進んでしまいます。
一見、建物とは別の庭の樹木が家の傾きの原因になるとは考えにくいように感じるかもしれませんが、樹木は成長や腐敗が進むと、地盤に大きな影響を及ぼします。
したがって、家を建てる際には庭を含めた土地全体の地盤を考慮して進めていく必要があるといえるでしょう。
樹木と建物を共存させるためには
続いては、庭の樹木が建物に悪影響を与えないようにするために、気を付けるべきポイントについてご紹介していきます。これから家を建てることを考えている方や外構を整えようとお考えの方はぜひ参考にしてみてください。
建物から一定の距離を離して樹木を植える
樹木が建物に近いと、成長とともに基礎や配管などを破損する危険があったり、外壁や窓を傷つけてしまう可能性が出てきます。
樹木ごとの成長具合も加味したうえで、一定の距離を取って樹木を植えることが必要となります。
特に平屋の場合には樹木と家との距離が近くなることも多くなります。工務店や外構業者に相談しながら検討していきましょう。
広がりすぎない樹木を選ぶ
一口に樹木と言ってもその成長や大きさは異なり、庭のサイズによって適しているものとそうではないものがあるでしょう。あまり広くない庭に、サクラや松のような広く根を張る樹木を植えてしまうと、地面の下で基礎や配管に悪影響を及ぼす可能性が出てきます。
そのため、建物との一定の距離を取るだけでなく、樹木の選び方もまた重要なポイントとなります。
植えたいと思う樹木の成長具合や根の広がり方などをあらかじめ理解したうえで、建物との距離や庭の状況に適したものを選択しましょう。
地植えではなく植木鉢で育てる
樹木は地植えをすることにより基礎や配管まで根を張り巡らせてしまうリスクがあります。
そのため、植木鉢で樹木を育てることで、そのようなリスクを回避することができるでしょう。
また、鉢植えの場合は、場所を移動することも可能であるため、模様替え感覚で庭の雰囲気を変えることができるというのもメリットだといえます。
仮に樹木が枯れてしまった際にも、処分がしやすいというのも扱いやすさとしてのメリットとなります。
地盤ロック工法とは
家の外回りに穴を掘りパイプを基礎下まで差し込み、液剤を注入することで地盤を改良しながら家を持ち上げていくという工法です。
西川では強度の強い地盤ロック材を使用することで、液状化や地震に強い地盤に改良することを可能としています。
地盤ロック工法のメリットとして
- 再沈下や液状化に強い
- 家の傾きを修正するほかの工法と比較すると安価である
- 短い工期で施工が可能
- 狭い場所でも施工が可能
- 居住しながら工事を進めることができる
- 売却時の資産価値がアップ
などが挙げられます。
その場しのぎの修正ではなく、長期的に家族みんなが安心して住み続けることを目的とした工法であるため、万が一の地震や再沈下のリスクが軽減させられるというのが最大のメリットだといえるでしょう。
リフォームを複数回に分けて行うことはできるのか
続いては、リフォームの進め方にスポットを当ててお話をしていきましょう。
ここでは、リフォームをいっぺんにやる場合と複数回に分けてやる場合の比較をしていきたいと思います。
そもそも、リフォームは複数回に分けて行うことができるのかについてですが、結論から申し上げますと可能です。
生活をするうえで不自由を感じるようになったり、使い勝手が悪いと感じた場所から順番に優先順位を付けてリフォームをおこなっていくことにはいくつかのメリットがあります。
- 工期が短い
- 仮住まい無しで居住した状態で施工可能
- 低予算で工事を行うことができる
一方、いっぺんにリフォームをおこなうのに比べてデメリットとして挙げられる点は以下の通りです。
- トータルで考えると工期が長くなる
- トータルで考えると請求費用が高くなる
- 家の中に新しい場所と古いままの場所が入り乱れており、全体のバランスという観点で言うとばらつきが生じる
複数回に分けてリフォームをおこなう場合には、上記のようなデメリットが挙げられますが、デメリットを軽減させるための方法として関連性のある個所について、まとめて施工するという方法があります。
具体的には、屋根と外壁、キッチントイレ、洗面所などの水回り、壁紙と床などが関連性のある工事個所として挙げられるでしょう。
まとめて施工することにより、効率的かつ複数回に分けてリフォームをするメリットを生かしながら進めることができます。
リフォームを検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
実際の施工スケジュール
続いては、長野県松本市の施工事例を取り上げ、敷地内の樹木が原因となった家の傾きの修正の流れをご紹介していきます。
今回のケースでは、土の中に木を残した状態で家を建てたことで、建物の下の木が腐敗してしまい家が傾いてしまったというものです。
これまでに、傾きを修正するためにコンクリートを流したりという対処をしたこともあったものの、かえって傾きが進んでしまったという状況とのことでした。
西川では、「アンダーピニング耐圧盤工法」および「地盤ロック工法」を用いて、基礎をジャッキアップすることで家の傾きを修正し、地盤改良をおこないました。
コンクリートよりも粒子が細かい地盤ロック材を用いることで、再沈下のリスクを軽減させるというメリットがあります。
【1日目】挨拶 近隣挨拶 機械搬入 掘削準備
【2日目】機械準備 液剤注入
【3日目】液剤注入 束玄関修繕
【4日目】隣家玄関修繕・土間補修 清掃片付け
施工は4日間という短期間で、既存のお悩みをしっかりと解決に導くことができました。
まとめ
以上、今回は庭の樹木が家の傾きの原因となる事例を取り上げ、どのように修正を行う必要があるのか、また庭の樹木の在り方についても併せてご説明してきました。
家の傾きにはさまざまな原因となる要素がありますが、建物とは別にある庭の樹木が傾きの原因となるケースもあるということがご理解いただけたと思います。
家を建てることを検討しているという方であれば、ぜひ今回お伝えしたアドバスを参考にしていただきたいですし、既に家の傾きを感じているもののその原因がはっきりとしないという方であれば、もしかすると庭の樹木が原因となっている可能性があるかもしれません。
家の傾きについて不安なことやご相談があればぜひ西川にお任せください。
西川では、家の傾きを専門に取り扱い、建物の状況やお客様のニーズに合わせたご提案をすることが可能です。