家が傾いているかもしれないと不安を感じている人は、業者に相談してみませんか。
地震などの災害をきっかけに地盤沈下や陥没が発生し、家が傾き工事を必要としているかもしれません。
事前に家の傾きを修理する施工法の種類や特徴、費用相場や内訳を知っておくと、業者に見積もりを出してもらったときに、疑問点も解消しやすくなるでしょう。
そこで今回は、家の傾きを直す上で知っておきたい施工法の種類や特徴、費用相場についても紹介します。
ぜひ本記事を参考の一つにしてみてください。
なぜ家の傾きは直す必要があるのか
家の傾きを直す理由として、家の倒壊や健康被害などの危険が伴うためです。
ここでは、なぜ家の傾きを直す必要があるのかについて解説していきます。
生活面のリスク
傾いている家で生活を続けていると、ドアの構造が歪みドアの開け閉めがしづらくなり勝手に開閉するなど、ストレスを感じやすくなってしまいます。
酷い場合には、全く開閉できず部屋が利用できなくなってしまうリスクもあるため、早めに修繕を行う必要があります。
他にもストレスを感じるケースとしては、ドアや窓が歪んでしまっている影響で鍵がかかりにくくなり、家の防犯機能が低下してしまうことなどもあげられます。
一方で家の傾きに気付きやすいアラートになるので、不具合を感じたら早めに業者に相談をするといいでしょう。
健康被害のリスク
傾いている家で生活を続けていると、平衡感覚に狂いが生じてしまい頭痛や吐き気、浮遊感、目まいなどの症状が現れやすくなります。
症状が深刻化すると、睡眠障害や食欲不振などの健康被害に繋がるリスクがあります。自律神経の乱れは思いもよらない形で体に負担となるため、早めに対策を行う必要があると言えるでしょう。
倒壊のリスク
傾いている家を直さないと、家にヒビが入り地震などの天災をきっかけに倒壊する可能性が高まります。
さらに家にヒビが入ると、雨水などが入りやすく家を支えている木材が腐る原因にもなります。
家が傾いてるということは、家を支えている柱や壁も正常ではなく、メンテナンスを必要としている状況だと認識しましょう。
家の傾きを調査する方法と費用
家の傾きに気付いたら早めに修繕を行う必要があることが分かったところで、家の傾きを調査する方法と費用についてもチェックしていきましょう。
個人で調査する方法
まず家の傾きを個人で調査する方法は以下の通りです。
・ビー玉やゴルフボールを床に置く
・建てつけが悪いか確認
・家全体を何も履かずに歩く
・壁に糸を垂らす
費用がかからず、簡単にできる方法です。
欠点としてはあくまで目で見た情報や感覚で判断するものばかりなので、どのくらい深刻なのかが分かりづらいです。
まずは、家の傾きがあるのかどうか有無を確認する程度で試してみましょう。
いくつか該当する場合には、業者に調査依頼を行いましょう。
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業者が調査する方法
業者が調査する場合には、以下の方法が用いられます。
・水平器
・レーザー測定器
調査費用の相場は調査項目により異なりますが、相場は3万〜15万円程度かかります。
費用を抑えたい場合には、床や壁の水平や垂直をおおまかに測定できる水平器がおすすめです。
しかし、あくまで傾きの目安を知れる程度のため、さらに正確な測定をお願いしたい場合にはレーザー測定器を選択しましょう。
床や壁の傾斜について、把握することが期待できます。
もし家が傾いていることが分かった場合には、調査だけでなく傾きの原因や不具合についても明確にする必要があります。
調査項目が細かく用意されている建物状況調査を行ってもらうようにしましょう。
家の傾きを修理する工法の種類と特徴
ここでは、家の傾きを修理する工法の種類と特徴について紹介します。
土台上げ工法
土台上げ工法は、見積もりで比較すると分かる通り、比較的コストを抑えて家の傾きをなおせる施工方法です。
プッシュアップ工法とも呼ばれ、油圧ジャッキと呼ばれる機械を使用します。
家の下に油圧ジャッキを設置し、家の土台から持ち上げます。基礎と土台部分の間に隙間をつくり、傾きを直していきます。地盤が弱いと地盤ロック工法もおすすめです。
薬液注入工法
薬液注入工法も、家を持ち上げて家の傾きをなおす施工方法です。セメントなどを混ぜた薬液を家の基礎の下に注入し、家の傾きを直していきます。薬液には、ウレタン樹脂やセメント系液剤などがあり、薬液を注入した圧力で傾きをなおせるため、比較的施工期間が短い傾向にあります。住宅にはセメント系の材料が向いています。ウレタンは工場など短期的に持ち上げる場合に向いており、再沈下しますので、住宅には向かないです。
アンダーピニング工法(スーパー耐圧盤・鋼管杭)
アンダーピニング工法も、家を持ち上げて家の傾きをなおす施工方法です。基礎下から持ち上げるのが特徴的です。家の傾きの修繕に優れており、地盤沈下の耐久性や地震の耐圧にも強い反面、コストがかかるデメリットもあります。
利用する工法を選ぶ時のポイント
施工方法を把握できたら、利用する工法を選ぶ時のポイントについてもチェックしていきましょう。
まず、地盤調査報告書などが手元にある場合、地盤の状態が液状化しやすいかどうかや地盤改良すべきかを判断しやすくなるため、準備しておきましょう。
そして、業者に調査してもらった結果を元に今の家にどんな修繕を行う必要があるのか、相談をしていきましょう。
地盤強化について
傾きだけを直しても地盤が弱いと再沈下します。
強度が強い鋼管杭でも地盤が弱いと支持点以外の部分が下がり空洞が出来ます。
地盤沈下の進行を確認して工法を選ぶ事が大切です。
土台上げはジャッキアップ工法の一つですが構造体のアンカーボルトを触るので築20年以上前の建物に向きます。調整高さは10cmぐらい迄です。
工期について
工期があまりにも長いのも、生活に支障が出てしまうので工法を選ぶ際のポイントになるでしょう。
薬液注入工法は、比較的工期が短く短期的な修繕に向いています。
ただし、5㎝程度までの傾きにしか対応できないことは覚えておきましょう。
また、白アリ被害の報告もあるため、一時的な対応を求めている場合には向いています。
薬液注入工法は20cm以上の傾き直にも対応出来ます。地盤も強化され強いです。
予算と強度について
家の傾きを修繕する場合は、予算と強度のバランスが大切になります。
もしも、予算が高くても強度を求めたい場合には、アンダーピニング工法が適しています。
ただし、強度に優れている分大掛かりな工事になるため、施工期間が長く費用も高いです。
木造建ての戸建てで選ぶことは少ないです。重量感のある会社の建物などは、向いていると言えるでしょう。
強度は一覧表にあるジャッキの様に点でなく面で支える、地盤ロック工法が一番強いです。
費用と相場について
気になる価格ですが、項目にもよるものの300万〜1000万程度かかります。内訳について確認していきましょう。
【内訳】
・調査費用 1~5万円 (無料のところもあります)
・仮設工事や躯体工事、設備工事
・修繕するために必要となる材料費
・作業員の労務費
・設計費
・駐車場代
・確認申請手数料
・印紙税
・ガス設備工事
・その他
確認申請は設計費業者が計画してくれるので不要です。
タイル、塗り壁などは簡単にひびが入るので、補修には別途必要になります。
選択する施工法によって差がでますが、工事以外にかかる費用も意外と多いことが分かります。
施工法別の相場
・土台上げ工法・・・100万円~200万円(1週間~2週間)
・薬液注入工法・・・250万円~600万円(1週間~3週間)
・アンダーピニング工法(スーパー耐圧盤)・・・200万円~500万円(2週間~4週間)
・アンダーピニング工法(鋼管杭) ・・・400万円~700万円(3週間~6週間)
施工法別にみた相場は以上の通りです。
業者に調査を依頼し、見積もりを出してもらう段階で不明点があれば過去の事例について質問したり、提供できる技術について尋ねてみましょう。
早めに疑問を解消しながら、依頼する業者も慎重に選びましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、家の傾きを直す上で知っておきたい施工法の種類や特徴、費用相場についても紹介してきました。家の傾きを直さないまま生活を続けていると、ドアが開閉しづらく鍵をかけられないなど生活面でリスクを感じてしまいます。
また、平衡感覚に狂いが生じてしまい頭痛や吐き気等の健康被害にも繋がります。
酷い場合には、家が倒壊してしまう恐れもあるため、安全な住まいで安心した生活を送るためにも早めに修正を行う必要があります。
今回紹介したジャッキアップ工法、薬液注入工法、アンダーピニング工法などを利用することで、家の傾きを修繕することが可能です。
修繕面積や家の状態にもよりますが、それぞれの費用相場も載せておりますので、見積もりを出してもらうときの参考にしてみてください。